怖い夢
夢日記を書こうと思う。
久々に日記っぽいものを書くのに「夢日記」とはいかがなものか。
そもそも「日記」自体がたいていは「他者」のことなど”ほぼ”気にせずに書かれているものだと思われます。
基本的には「for自己」が日記の中心にあって、後に自分が振り返ることができればその目的の大半は達成されているでしょう。
人によっては振り返ることすらせずにアウトサイダーよろしく、大量の文章をしたためる方もいらっしゃるでしょう。
もしくは日々を過ごす中で形になりづらい自分の機微などを「日記」という形で”あえて”記録することで、自分の中の何かを消化できる作用があるのかもしれません。
人によってはそのことによってさらなる「消化不良」と「自家中毒」を引き起こす方もいらっしゃるでしょう。
「日記」の用途と効果は千差万別、とやこう言うなというものでありましょう。
いずれにしても「for自己」というコンセプトは揺らがないのが「日記」でしょう。
だからかしかしか、ブログを書くにあたって(他者のそれを読むのも)僕はいつも「むぇんどくすぇ〜んすけどぅぉ〜」となってしまいます。
それはとにもかくにも、自分が自分に酔っているか否かを自ら試すような、「公開」という名の”「自己愛」や「自意識」のアルコールチェック”をしているような気分になるからです(と、本題に入る前にくどくどと弁明を続けること自体が「自己愛」や「自意識」に取り憑かれた人間の症状なことは恐らく間違いありません笑)。
そんなわけでこれを書いている間も、僕の眺める画面の右上には「公開」ボタンが国家の最高権力者のみが押すことのできる核ミサイル発射ボタンのごとく鎮座ましましているわけですが、それを押したところでこれからこの文章を読まれる方が目にするのは、ほとんど無意味な「夢日記」の出来損ないの様なものですから、皆様の大変優雅な時間の使い方と高潔で宇宙のような度量の大きさには深い感謝をせずにはおれません。
しかしかつて見たことのない類の夢であり、しかもあまりに怖かったのでここに記して気を紛らせたいと思います。
どこにでもありそうな住宅街。けれどもどこかは知らない住宅街。自分はマンションの2階の角部屋に住んでいるらしい。夜になるまでバルコニーに面した窓際に寝ていた。屋外がやけに騒がしい。パトカーや消防車に付いた回転する非常灯がたくさん窓に反射している。なんだろうと思い窓を開けてバルコニーに出る。夥しい数の警察官と消防隊がマンション前の小さな児童公園にいる。よく見ると何本ものロープの様なものを彼らが引っ張って綱引きのようなことをしている。引っ張る綱の先へ視線を移動させると、そこにはキリンがいた。見たこともない巨大なキリンだった。ぱっと見でも体高が7、8メートルはある。小さな公園にあるどの木よりも大きかった。
閑静な住宅街の夜に突如現れた巨大キリンを捕獲しようと警官や消防隊たちが足や首に引っ掛けたロープを引っ張っていた。応援隊や地域住民もぞくぞく集まっている。その光景をあっけにとられてバルコニーから眺めていると、急に公園にいた人だかりがクモの子を散らすようにてんでばらばらに逃げ出した。なぜ逃げ出したのかわからないまま放たれた巨大キリンが公園内を所狭しとぱからんぱからん走り回っているのを見ていたら、角部屋で死角になっていた方向から音も出さずにクマが現れた。これまた巨大なクマで、四足歩行をしている状態で体高は二階建ての家ほどはあり、というかそこそこ大きな一軒家がふさふさとした毛を生やして歩いているような大きさだった。
クマは移動する途中で引っかかりちぎれたと思われる火花舞い散る電線を巨体に絡ませながら歩いていた。これはさすがにやばいと思う間もなく、クマは周囲の住宅を破壊しながら走り出した。住宅はスナック菓子を食べる時の様な音をたて、電気系統から発せられる閃光とともにいともたやすく粉砕されていた。ただ破壊するためだけに走っている様だった。
クマの破壊と閃光にある種の恍惚を感じたのもごく一瞬のこと、今度は自分のいるマンションへ向かってきた。自分のいる部屋とは反対方向の角に突進して、マンションの1階部分はいともたやすく破壊された。そしてマンション一階部分を根こそぎにしながら、まるで巨大な爆竹が轟音を響かせながらこちらへ激しい閃光をともなって自分を飲み込むように突進してきた。
恐怖と同時にマンションが倒壊する危険を感じて部屋の中へ戻ったと同時に目が覚めた。
という具合に、描写力も大して持ち合わせずに長々と非現実的なことを書いて誰が得をするのだというのは、書いた自分が一番良く理解しておりますが笑。
この夢の内容とは全く別の次元でクマに関する作品を制作しております。
大学時代からの友人で写真家の杉能信介君と先日、クマの撮影に行きました。
クマと言っても、アクリル絵具でペイントされた北海道土産の木彫りのクマです。かわいいものです。
ロケ地は都内各所の公園で行いました。
おかげでとても素晴らしい写真がたくさん撮れました。
これらをどのように着地させるか、色々やらなければならないことだらけなのですが、きっと面白いものになることでしょう。
こんな感じという写真をちょこっと出し。
2012/03/30